北山正積さんインタビューページ
京都活具スタッフが、たわし職人 北山正積さんにお話を伺いました。北山正積商店のたわしには長年培われた技と北山さんの真っすぐな想いが詰まっています。このインタビューを通じて、その背景に触れて頂ければ、きっとたわしに対する愛着や信頼が深まるはずです。
僕の親父がたわし作ってたの。 この辺の地場産業だから、昔は作っている人いっぱいいたの。それを見てね、僕はもの作り大好きだから。 親父の後ついて、もう17歳からやっています。
はい。たわし一本で来ました(笑)
10年前までは亀の子束子の和歌山工場の職人やったんですよ。 工場あるからそこへ行ってくれって、言われて工場長として行ってたんです。ただ、物を作る工程でも色々ありましてね。自分の 思ったものを作れないというか・・・やっぱり、会社だといろいろあるから。それでね。何とかして自分の作りたいものをね、 自分で考えてやりたいって独立してね。家族も娘二人いてるん ですけど、協力してもらってなんかと会社設立したって感じです。
独立してしばらくはゆっくりとゆっくりとですが、伸びていってますが、 さすがにコロナの時はダメージ受けました。販売のメインは催事だから。 その時にお客さんにいろいろ説明したりして。 2年くらいちょっと厳しかったけど、なんとか持ちこたえて協力し合って、 ここまできました。
たわしの難しい部分って「巻き」なんですよ。 針金が切れる寸前まで巻かないと毛がぬけたりするので、 技術がいるんです。機械で調整してもね、天然の植物や から太い部分、細い部分有るから調整できないんですわ。 もう、手、指先の感覚なんでオートメーションで何百何千 と作れないんですわ。もう一個一個手先を使って加減して 作るのがタワシ作りの基本。なんで数が制限されるんです。
数ができない仕事なんで職人が一個一個手作りで 丹精込めて作っているんで、その価値観を分かって くれたらいいんですけどね。
そうそう。こう爪を伸ばしているんですけどね。 親指で繊維をかくんですよ。さばくって言った方がいいかな。 針金で挟んで爪が無いとさばけないんですよ。 ダマになっている部分をほどくんです。 一本一本繊維をほどくような感じで、この指先、爪先が大事 だから親指の爪を伸ばしているんですよ。
うちんとこと、Tさん、Nさんかな。
そもそも作ってる職人が僕なんで、出来が全然違う。長い間数量もやってるし、ミスが少ない。全工程自分でやってますからね。毛の量やタワシの密度、特に密度が濃すぎても薄くてもダメなんですよ。硬すぎても柔らかすぎてもダメ。密度の量が少なったり、長さがおかしいと繊維のコシが無くなる。無くなると、洗浄力・かき出し力が落ちてしまう。そこを一番大事にしています。
オイルショックがあったでしょ。その時分位から、和歌山から海外、スリランカで作るとこが増えたんですよ。それで、この地域の職人も減っていって。それで一度コロナ前くらいかな、スリランカに行って、指導した。スリランカの方は魂もいいもの持っているから、密度もカットも完璧。下手したら、僕以上のものを作っている(笑)一流の職人がいるたわし工場になっているよ。
技術も教えて、将来的には後継いでもらわんと!「巻く」部分が一番重要な工程ですけど、そこは伝授できたと思う。あとは「刈込む」部分と「仕上げ」かな。あと5年くらいかな。たわしは数をせなあかんから、根がいるんですよ。職人根性が無いと難しくて。私ももう70歳だから、あと10年?(笑)体力的にもしんどいから、立ちっぱなしでかなり重労働なんですわ。将来的にはラインアップも増やせたらなw
たわし一筋55年の職人・北山正積が、素材選びから仕上げまで全てを手がけました。職人の技術と情熱が詰まった、他にはない「使いやすさ」と「こだわり」を体感してください。
厨房道具のプロフェッショナル「京都活具」が、たわし作り一筋55年の職人「北山正積商店」さんにお願いし、共同開発した一品です。スポンジ洗いや食洗機前の洗いに大活躍します!